どうもおひさしぶりです。わたしです。
エイプリルフールもめっきりつまらない予定調和感の中、
正直者の皆様如何お過ごしでしょうか。
Ubi の数ある看板ソフトの中の一つ、FPS大暴れオープンワールドの「Far Cry」シリーズ。
ナンバリング第五作目となる最新作、「Far Cry5」クリアしました。
前評判は結構高めで、
近年「アサシンクリード:オリジンズ」での、ゆび製オープンワールドの劇的な改善もあった事から、
こちらにも相応のパワーアップが期待できるのではなかろうかと、
かなり目に見えてハードルが高くなっていた本作なのですが、
その期待にゆびそふとは見事応えることが出来たのか、
はたまた昔のアレなオープンワールドという評判へと逆戻りなのか、
というところなのですが、
全体的な感想を一言でまとめるとすれば、
これまでのファークライと比べれば大きなクオリティアップがあるものの、
ファークライが嫌いな人も含めて広く勧められる様な名作かと言うと、そこまでではない、
という所でしょうか。
悪くはないけど、今時よくある感想ってやつだな!

http://ubisoft.co.jp/farcry5/
ファークライについては3以降どれもやっているのですが、
実際、楽しくもあり、やや至らないところもアレなところもあり、といった風で、
毎回ファークライシリーズとゆびそふととを許せる人向けと言う所があったのですが、
長年オープンワールド作りのあれこれを文句言われ続けたゆびそふとが、
アサクリオリジンズで遂に心を入れ替え、見違える世界を作り出すことで世界的な評価を受けた
というのは先に言った通り。
今作にもその改善を取り入れ、大きく変化しているだろうと私も思っていました。
実際には、これまでのファークライを根本的な部分では多く残しつつ、
各地を支配するボスの切り崩し、仲間とのCoopプレイやソロでのAIキャラとの疑似Coopなど、
個人的にはアサクリよりも「ゴーストリコン:ワイルドランズ」の要素を取り込んでいるように思えます。
主人公キャラのクリエイトによる感情移入、
Coopとソロの融合した作り、
広いマップの中を快適な銃撃戦で戦いながら好きにクエストをこなして進んでいくシステムなど、
元々ファークライと重なる部分もあると言われればそうなんですが、
多くはワイルドランズとの類似が目立つのではないでしょうか。
それだけに、どうしても今作はワイルドランズと比べてしまう点があるのですが、
そうなると、結構ワイルドランズの方が作り込んでいたなって箇所が目に付くんですよね。
主人公のキャラクリ、衣装の種類などもワイルドランズの方が豊富でしたし、
武器の種類やカスタマイズの幅もワイルドランズ。
マップの広さや組織の巨大さもワイルドランズ。
仲間キャラとの掛け合いや賢さに関してもワイルドランズ。
FPSとTPSの違いはありますが、
どうも、ワイルドランズにあった要素を薄め、
悪く言えば劣化させてファークライに一部移植した、という感がぬぐえません。
例えば今作では仲間を連れて歩けて、その仲間同士が会話してくれたりするのはよいのですが、
3分もすれば同じ会話を10回は繰り返してたり、
ストーリーやクエストの大事な話をしてる最中に被せて話し続けてたり、
それよりなによりそもそもAIがアホすぎて肝心な時に役に立ってくれなかったり、
昨今のAAAゲームにしてはかなりお粗末と言う他無いアホAIを持った仲間達であり、
そのせいで、実際の世界に居るような感覚を破壊し、ゲームの中であることを思い知らせてくれます。
ワイルドランズの仲間との会話は自然でさりげなく、少なくともゲームプレイ中に邪魔に思うようなことは無かったとおもいます。
本作での仲間を呼べるシステムや仲間同士の会話は、うまくやってればもっと大きな効果があった筈です。
それだけに、両者を比較してしまい、残念に思えてしまう。
ワイルドランズも完璧なオープンワールドではありませんでしたし、
両者にそれぞれとても楽しい瞬間、上手い作りの部分はありますが、
ワイルドランズの良かった箇所を幾らファークライに持って来ても、
それだけではファークライとしての良さに欠けていると言いますか、
もっと別の発想による改善、よりこのゲームの為に作り込んだと思える要素が見たかったという気はします。
今作の敵役であるカルト、エデンズゲートを率いるシード一家は、
シリーズの目玉である”広告塔的ヴィラン役”に相応しいだけの魅力は十分兼ね備えていたと言えるでしょう。
(ローカライズの吹き替えも中々に良かったです。)
どいつもこいつもストーリー上、憎たらしく主人公からのヘイトを集め、
いかにこいつらを倒してやろうかというモチベーションを高める事は成功してるのですが、
勿体ないのが、その折角のヘイトを発散してスッキリさせるような展開が弱い。
そこら辺、わざとそういう色々な葛藤的なやつとかプレイヤーに行いを考えさせたりとかも思惑としてあるのでしょうが、
それ多分もうそんなに要らないんじゃないかと思うよ!3の時は皆そのやり方に唸りましたけど、別の手を考えてもいい頃合いじゃないでしょうかね。
少なくとも私はそこで如何にやりこめられてた敵ボスにやりかえし、爽快に解決するかって方向にかじを切った方が、
中途半端に理屈や変化球を入れようとするよりもすっきりとゲームの方向としてハマるような気がします。
要は誰もそこに求めない形の皮肉とか示唆とか入れても、マイナスでしか無いよねっていうことでしょうか。
バイオショックシリーズとか位のレベルで隙なく捻じ込まれていれば別ですが、
このシリーズ、言うほどそっち方面はそこまででもないっていうか・・・・・・
プレイは他のこういう最近の大作でも昨今逐一言っててもう飽きる位なんですが、
完璧ストレスフリーで爽快で、グダらないことだけを優先して全てをおもてなすといういつもの洋AAAのやつ。
とても良く出来てると思います。
なんだかんだ言っても、間違いなく、
これまでのファークライとは比べ物にならない位良くなっていると言っていいです。
さっきいった仲間AIがアホですとか、武器カスタム周りなどの物足りなさだとか、
細かい荒もあるにはあるのですが、
銃を撃つゲームが好きな人ならこの戦闘で満足しない事は恐らく無いでしょう。
これと言った重大な欠点は無く、文句もつけようがない位にプレイは快適でしっかり良く出来てる。
ファークライとしては満点と言う他無いと思いますが、
Ubi の中でもアサクリ、ワイルドランズ等、オープンワールドとして比べる相手は居ます。
それらと比べてしまった場合、どうしても、
ここをもっと頑張ってほしかった、ここが物足りない、ここがイマイチ、
そんな感想になるかも知れません。
それは何故かと考えれば、
改善してるとは言え、これまでのファークライのお決まりから外れない作品であり、
毎度の繰り返しのパターンの中でのブラッシュアップに留まってしまってるせいではないでしょうか。
大きな土台からの改革には至っていませんし、
それでいてアサクリの時の様な、目に見えて頑張って、お金かけてんなぁ、みたいなとこが見あたらない。
目立つのは飛行機からずっと無線で同じことを何度も何度も言ってくる仲間とか、
自分がやられた時に目の前にいるのにUターンして去ってゲームオーバーにする仲間とか、
謎の挙動をする敵味方とか、バグで妙な事になってしまうクエストとかです。
これまでにファークライシリーズをやっていた人は大きな称賛を与えるだけの成果でしょう。
ファークライを初めてやったという人も面白い良く出来たゲームだなと褒めると思います。
しかし、いくら快適になっても、
これぞファークライシリーズだからこそだ、という新たな何かを目指して作られてはいませんし、
ファークライにしか出来ない、他に追従出来ないだろうといった何かが見出せない。
それ故に、これまでのファークライと比べれば良という印象は強いです。
他のゲームと比べて、何かを成し遂げたのか、新鮮な驚きや感嘆を得られたかと言うと、
どこか、こじんまりとした、田舎の中から脱出できない歯がゆさの様な、
手が届かないどこかへ行きたくなるような、そんな気がしてきます。
正直やる前にハードル上げ過ぎた部分もありますし、
ワイルドランズ(そこまで超好きって程でもないとはおもうんですけど)と比べてって気持ちもあるので、
多少文句もいいつつでしたが、実際のとこ、予想を上回るとまでは行かずとも十分良く出来てはいます。
何度も何度も強制的に無条件で捕まって好きにされるとことか、
あとはエンディングの展開ですとか、
貯めた鬱憤を晴らせないストーリーについても、やや不満は無くも無いです。
しかし、それを踏まえたとしてもクオリティは間違い無くシリーズ随一、
シリーズの救世主と言っていい存在となるでしょう。
最期に、
マップとかを好きに作れるアーケードモードなんですが、
XboxOneの頓挫した
「Project Spark」よりも複雑!こんなんまともに作れる気がしないよ!
そんな感じで。